施工事例 Vol.2 CASE STUDY Vol.2
藤沢市営 大庭台墓園
藤沢市営の大庭台墓園の立体墓地内にこのほど3,136体の
ご遺骨を収蔵できる「合葬納骨壇」が完成しました。
「このたびの合葬納骨壇開設の背景にあるものは、やはり藤沢市でも少子高齢化によってお墓の承継者がいない方が増えていると言う実状です。」社会全体が構造的に変化し、それに伴いお墓に対するニ-ズも多様化してきた。
そのニ-ズに対応するための新たな墓地形態として藤沢市総合計画(二〇〇〇年からの二十年計画)の中に盛り込み、今年度より使用を開始します」と藤沢市・医療予防課は説明してくれました。
当社が施工した大庭台墓園の合葬納骨壇は、同墓園の立体墓地内地下一階に約一二五㎡の面積を確保して設置されました。納骨室前面には白みかげ石製の 礼拝所(モニュメントは赤みかげ石製)を置き、納骨室内には百十二体分の骨壷を収蔵できる棚(納骨壇)を二十八台設置、合計で三千百三十六体を収蔵できま す。
白みかげ石を使用した合葬納骨壇の礼拝所。
立体墓地内には「普通納骨壇」と「集合納骨壇」が設置されている。
合葬納骨壇の内部。112体分の骨壷を収蔵できる棚(納骨壇)を28台設置し、合計で3,136体収蔵できる。
モニュメントのデザインは、宗教性のない象徴的なものを採用した。
「集合納骨壇」。石模様のアルミ製で、一区画に骨壷を四体分収蔵できる(当社施工)。
「半数(=千五百六十八体)は遺骨保持者用、残りの半数が生前予約用です。生前予約は六十五歳以上の方(市民)に限り、ご夫婦での申し込み枠も用意しています」
すでに三月二十八日から四月八日までの期間中に合葬納骨壇の使用者を募集したところ、約九百区画の申し込みがあったようです。収蔵期間は使用許可日から二十年間で、この間は納骨壇で個別に管理。二十年後に合祀する予定です。
藤沢市では、二〇〇二年十二月に『墓地に対するアンケ-ト調査』を実施しています。その中で「(お墓の)承継者の有無」「合葬式墓地(の設置)について」などを聞いています。このたびの合葬納骨壇の開設にはこのアンケ-ト結果も反映されているようです。
また、藤沢市には大庭台墓園と西富墓地の二箇所の市営墓地がありますが、いずれも一般墓地(承継を必要とする普通墓地・芝生墓地)の貸し付け・整備 をほぼ完了しています。大庭台墓園の立体墓地は土地の有効活用という意味合いで一九九五年度に竣工し、石製の「普通納骨壇」とアルミ製の「集合納骨壇」の ふたつの形態で市民に墓地を提供してきました。(ちなみに集合納骨壇も当社施工です)
「これまでも様々なかたちでお墓のニ-ズに対応してきましたが、あくまでも承継者がいる方を前提としていました。今後の社会構造の変化を考えると、承継者不要のお墓、すなわち合葬式墓地のニ-ズが高まると思われます。」
と藤沢市・医療予防課。合葬式墓地・納骨壇についての認識は、民間レベルではすでにかなり進んでいます。
今後は行政レベルでも整備が進んでいくものと思われます。